親知らずの抜歯
親知らずについて
親知らずは、正式には「第3大臼歯」や「智歯」と呼ばれており、だいたい思春期以降に生え始めますが、30代以降に生えてくる人もいます。ただ、全ての人に生えるというわけではなく、埋まって出てこない人もいれば、もともと親知らずが備わっていない、という人もいます。
親知らずは必ずしも抜かなければならないものではなく、トラブルを起こす原因になる場合にのみ抜歯が勧められます。
親知らずによる影響
智歯周囲炎(ちししゅういえん)を起こすケース
智歯周囲炎は、うまく生えてこない親知らずの一部が口の中に出ていて、他の部分は歯肉で覆われているケース。このようなケースでは歯と歯肉の間に深い袋状の隙間ができます。ここに口の中の細菌が入り炎症が起きます。
隣の歯を押して歯並びに影響が出るケース
親知らずは斜めになっていたり、横向きになっていることも多い歯です。そのため、隣の歯を押してしまい、さらに押された歯がその隣の歯を押し、歯並びに影響が出てしまう場合があります。
隣の歯を突き破ってしまうケース
横向きに埋まっている親知らずが、隣の歯の歯根を圧迫して、隣の歯に激痛が起こることもあります。また、隣の歯を突き破ってしまうこともあります。このようにして起こった感染・炎症が喉周辺にまで拡がると、顎の下まで腫れてしまうこともあります。
治療について
もちろん、親知らずは必ず抜かなければいけないということではありません。親知らずが他の歯に干渉しない状態であれば抜歯せずに様子を見ることもひとつです。親知らずの抜歯の難易度はお一人おひとり異なります。また、親知らずの周りには、神経や血管など重要な組織が存在するため、抜歯の影響で後遺症を起こさないためにも、経験豊富で顎顔面口腔領域の解剖に明るい歯科医師に相談するのがよいでしょう。